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カタール代表 [スポーツ]

2月1日、アジアカップ決勝で日本代表と対戦するカタール代表

彼らはこれまでワールドカップ出場はなく、アジアカップでも過去二度のベスト8が最高成績に過ぎなかった。

そんな彼らがなぜ、韓国などを撃破しここまで勝ち進むことができたのだろうか。そこにはもちろん育成の成功もあるが、やはり気になるのが「帰化人」「移民」の問題であろう。

カタール代表はここ15年ほど「帰化」の話題がたびたびクローズアップされており、Qolyでも一昨年3月、「日系人もいるカタール代表、帰化だらけじゃねぇか!とDisる子供が話題」という記事を配信している。

当時は2018年ワールドカップ最終予選の真っ只中。2022年に自国開催を控える彼らにとって、その予選は自力での初出場がかかった最後のチャンスであった。

だからこそ、なりふり構わずという面もあったのだろう。しかし結局は予選で敗退することになり、さらにこの強引なやり方は子供からも“disられる”こととなった。

あれから約2年が経ち、政治的には断交するUAEで開催されるアジアカップを迎えたわけだが、彼らの代表チームは現在も「帰化人だらけ」なのか。調査してみた。

カタール代表の外国人は

こちらが、今回のカタール代表の「外国人比率」だ。

GK:

1. サード・アル・シーブ
21. ユセフ・ハッサン(エジプト)
22. ムハンマド・アル・バクリ

DF:

2. ペドロ・ミゲウ(カーボベルデ、ポルトガル生まれ)
3. アブドゥルカリム・ハッサン(スーダン)
4. タリク・サルマン
8. ハミド・イスマイル(スーダン)
13. タミーム・アル・ムハザ
14. サリム・アル・ハジリ
15. バサム・ヒシャム(イラク)
18. アブドゥルカリム・アル・アリ
23. アッシム・マディボ(スーダン)

MF:

5. アフマド・ファティ(スーダン)
6. アブドゥルアジズ・ハティム(スーダン)
9. ハリド・ムハンマド
12. カリム・ブディアフ(モロッコ・アルジェリア、フランス生まれ)
16. ブアーラーム・フーヒ(アルジェリア)
17. アブドゥルラフマン・ムスタファ
20. アリ・アフィフ(タンザニア・イエメン)

FW:

7. アフマド・アラールディン(エジプト)
10. ハッサン・アル・ハイドゥース
11. アクラム・アフィフ(タンザニア・イエメン)
19. アルマエズ・アリ(スーダン)

あくまで調査したなかで判明したものであるが、ご覧のように23名中14名が外国にルーツを持つ選手となった。

国別でみると現在大会8ゴールを記録しているアルマエズ・アリの出身地スーダンが5名でトップ。そこにエジプト、アルジェリア、アフィフ兄弟がいるタンザニアとイエメンが2名で続いている。

パーセンテージに直すと60%、やはりかなりの人数ではあるだろう。

ただ、これを見ると分かるようにいわゆるサッカー強国と呼ばれる国の選手たちではない。ペドロ・ミゲウ(ロ=ロ)はポルトガル出身だがカーボベルデ人であり、ブディアフもフランス出身だが北アフリカの混血だ。

カタールはかつて世界中の逸材を帰化させようと画策したが、それがFIFAの怒りを買い、ルールが改正されるきっかけにもなった

特に対象となったのがブラジル人であるが、今回のメンバーにブラジル人はゼロ。

長年チームのエースとして君臨したウルグアイ人のセバスティアン・ソリアも加齢でいなくなり、現在の彼らを構成しているのはカタール周辺の国からやってきた外国人である。

外国人は14名だがその中身は

また、こちらを見てほしい。

外国ルーツだが、カタールで生まれた選手

3. アブドゥルカリム・ハッサン(スーダン)
8. ハミド・イスマイル(スーダン)
5. アフマド・ファティ(スーダン)
6. アブドゥラジズ・ハティム(スーダン)
23. アッシム・マディボ(スーダン)
11. アクラム・アフィーフ(タンザニア・イエメン)
20. アリ・アフィフ(タンザニア・イエメン)

外国で生まれ、カタールにやってきた選手

12. カリム・ブディアフ(アルジェリア・モロッコ、フランス生まれ)
16. ブアーラーム・フーヒ(アルジェリア生まれ)
7. アフマド・アラールディン(エジプト生まれ)
21. ユセフ・ハッサン(エジプト生まれ)
19. アルマエズ・アリ(スーダン生まれ)
15. バサム・ヒシャム(イラク生まれ)
2. ペドロ・ミゲウ(カーボベルデ、ポルトガル生まれ)

これは先ほどの外国にルーツを持つ14名を、出身地別に分けたものであるが、実はその半数はカタール生まれなのだ。

これにはカタールの事情を理解しておく必要があるだろう。

彼らは秋田県ほどの小さな国土に人口270万人ほどが住んでいるのだが、そのうちカタールの国籍者は10~20%ほどと言われている。これは中東の産油国によく見られるもので、彼らは一部の王族と大多数の外国人労働者によって国家を形成している。

また、カタールは「出生地主義」ではなく日本と同じく「血統主義」を採用しており、二重国籍も認めていない。つまり、外国人がカタールで生まれ、それが何代経ったとしても外国人に過ぎないのだ。

フランス代表と比較してみる

一方、「出生地主義」と「二重国籍」を採用しているアメリカやフランスでは、その国で生まれた瞬間に国籍が与えられる。

昨夏のワールドカップはフランス代表が20年ぶりに栄冠を掲げたが、彼らは23名中15名がアフリカにルーツを持つ選手であった。

このことは大会当時、あのディエゴ・マラドーナらから「アフリカから選手を奪っている」と痛烈な批判を浴びた。

しかしながらフランスの場合はほとんどが外国にルーツを持つフランス生まれの選手(外国生まれは3名)であり、彼らは生まれた時点でフランス国籍を有している。


その点ではややカタールと異なるが、これはフランスという国柄を象徴するものであり、単純な比較は難しい。

ただ、もし、国家の代表チームというものがその国の伝統や文化、国民性を反映したものであるべきとするならば、である。

多くの外国系の選手に支えられているカタール代表は、「少数のカタール人と外国人労働者によって構成されているカタール」という国家をこれ以上なく象徴していると言えるのではないだろうか。

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